マリア
第11章 変奏曲 ①
男なんかに可愛い、って言われて、
女みたいに胸を刺激されて感じてる自分。
一瞬だけど、
俺は、体の奥がムズムズして、気持ちいいようなそうでないような、不思議な感覚に囚われていた。
雅「もっと…可愛い声で鳴いてよ?」
「っ……!」
不覚にも、耳元で囁かれる声にぞくりとしてしまう。
雅「フフっ。やっぱ、可愛い。耳まで赤いじゃん?」
「かっ…可愛くなんかっ…!」
雅紀の大きな手に、頬を包み込まれるようにして顔を上向かされる。
雅「そんなことない。可愛いよ?」
そっと、唇を重ねながら、
押し退けようとする俺の手を脇に静かに置いた。
雅「…だから、声、もっと聞かせてよ?」
ゆっくり降りてきて重なる雅紀の唇。
「んっ…んっ…」
啄むように、何度も繰り返される優しいキスに俺は…
「んっ…ふっ…」
雅「名前…教えて?」
「か…かず…なり。」
雅「気持ちいい?カズ?」
見下ろす笑顔に無言で頷いていた。
「あ……や…んっ。」
胸の突起をわざと大きな音を立てて吸い上げられ、
知らずに漏れる甘い声。
「うっ…んっ…んっ…」
気持ちいい…
程よくザラついた舌の感じが、いい。
もっと…
もっと…
気持ちよくして。