マリア
第12章 追走曲
俺が意識を取り戻した頃にはキチンとスウェットの上下を身に付けていて、ベッドに寝かされていた。
和「目、覚めました?」
「あ…お、俺…」
微かに部屋に漂ってくる食欲をそそる香りに、腹の音が盛大に鳴る。
和「めし、作ったんでよかったら一緒に食べましょ?」
「あ…うん。」
起き上がった途端、腰に鈍い痛みを感じて思わず顔をしかめる。
和「…ここで食べます?」
「…悪いな。」
和「いいえ?もとはといえば、俺が激しすぎた、からでしょ?」
「るっせぇよ!!///」
ニヤニヤ笑う二宮目掛けて枕を投げつける。
和「じゃ、ちょっと待ってて?」
寝室から出ていくと、二宮はトレイに食事を乗せて戻ってきた。
「これ、お前が作ったの?」
和「他に誰が作る、って言うんだよ?」
「…あの、イケメンの兄貴、とか…」
和「確かに俺より上手いけど、あんな忙しい人に頼めるわけないじゃない?」
「そうなんだ…」
に、したってすげえな?
ご飯に味噌汁、お浸し、焼き魚…
ちゃんと食事じゃん?
ちゃっかり寝室にローテーブルと自分の分の食事を持ち込んで、二宮ももそもそと食べ始めた。