マリア
第12章 追走曲
和「お代わりが欲しかったら言ってください。二杯目まではただなんで。」
「金、取んのかよ?」
和「何厚かましいこと言ってんの?二杯目まではただだ、って言ってるじゃない?」
でも、さすがに今日はいろんなことがありすぎて、
ちょっと疲れていたせいもあってか、俺は三杯目を断念せざるを得なかった。
「ご馳走さま。うまかった。」
和「どーいたしまして。こっちこそ、可愛い櫻井さんを頂きまして…」
二宮は意味深に笑った。
「…うるせぇよ。」
てか、てめぇなんぞに頂かれたくなかったよ。
和「でも、気持ちよかったでしょ?」
二宮が耳元で低い声で囁く。
「っ……だから…!?」
和「ま、いいや。これからはこんな感じで付き合っていきましょ?」
目の前の食器を片付けながら笑った。
和「どーせなら、俺にしといたら?」
「お前には雅紀がいるだろ?」
和「ふふふ。俺ね、こう見えて結構もてんの。上はじいさんみたいな年齢のオッサンから下は犯罪ギリギリまで。」
「俺らの年齢だったら誰とだって犯罪だろ?」
和「…かもしんない。」