マリア
第3章 間奏曲
「えっ!?な、何で?」
僕は思わず椅子から立ち上がってしまった。
「そんなこと、イヤでも分かるよ?」
先生は口元に手を当て込み上げる笑いを堪えた。
「で?その知り合い、っていうのは君の恋人?」
「ち、違います!!友達…の彼女なんですけど。」
「ふうん。友達の彼女が君に相談してきたの?」
「ええ…まあ…。」
そのことについて、先生は何も追及しなかった。
「…まあ、いいか。そうだなあ…まず、結論から言うと絶対に出来ない、ということはないよ?」
「ホントに?」
「ただし、絶対に大丈夫だとも言えない。」
瞬間的に顔を綻ばせた僕をたしなめるように、
先生の声が低くなる。
「人によっては、一気に3階まで階段を駆け上るぐらいの負荷がかかるからね?」
「そんなに……」
「それに、健康な人でさえセックスの最中には気絶することもあるし。」
「え…そ…そう…なんですか?」
顔を赤らめ俯く僕を見て、先生は少し意地悪く笑った。
「知らなかったみたいだね?」
宥めるように、先生は僕の頭をくしゃくしゃと撫でてた。