マリア
第17章 序曲 ①
和「最近、大野さんが俺に懐いてんすけど?」
うまそうな匂いでもしてんすかね?と、
二宮は自分の体をあちこち嗅ぎ回った。
「お前の前世、って、マタタビじゃね?でもって智くんがアメショーとか?」
和「マタタビ、って、動物じゃないじゃない?しかも、大野さんがただの猫じゃなくてアメショー、って何よ?」
「バカやろ!!お前なんかと智くんを一緒にすんな!」
和「何だよ!?なんか、って?」
「ほら!!電話鳴ってる!」
智くんじゃねーのかよ?って、二宮に早く電話に出ろ、と急かした。
智『あっ!!二宮くん。今どこ?』
和「大野さんこそ。どこにいるの?」
『えへへ。二宮くんの部屋の前。』
和「あー、また、兄貴にドタキャンされたの?」
二宮は俺を気にしながら会話を続けた。
智『うん。だから、お茶しよ?』
和「うーん、どうしよ、っかな?」
二宮は俺をチラチラ見た。
智『どうしたの?』
和「実は…ここに櫻井さんがいるんだよね?」
智『翔くんもいるの?』
和「ええ、まあ…」
智『いいじゃん?一緒に来れば?』
和「えっ?いいの?」
と、さっきまでこそこそ話してたやつが急に声を張り上げた。