無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

口いっぱいに頬張ったリンゴをシャリシャリと音を立てながら食べた。



和「………。」


「な…何だよ？」


和「別に？嬉しそうだなあ、と思って？」



思い出してはニヤけていた俺を、二宮はさらにニヤニヤと眺めていた。



智は今、残ったリンゴをすりおろしてくると言ってここにはいなかった。



和「『はい、しょーくん、あーん、して？』」



智の口振りを真似る二宮に枕を投げ付けた。



「うるせぇよ!!」


和「若くて綺麗なコンパニオンにデレる酔っぱらいのオジサンみたい。」



ここで、智の携帯が鳴った。



和「兄貴、ですかね？」


よっこらしょ、と立ちながら智の携帯に手を伸ばしかけた。



和「………。」



が、パネルに表示されている名前を見た途端、



二宮の表情が強ばった。



「どうした？」


和「あ……間違い電話みたい。」



二宮は、智の携帯をもとの場所に戻した。



「ふーん…。」



そして、何事もなかったかのようにゲームを始めた。



まだ、鳴り響く携帯をそのままにして。



「まだ、鳴ってっけど？」


和「さ、さあ？大野さんのストーカーじゃない？」


「それ、やべぇだろ？」



もし、そうなら、一言言ってやろうと、智の携帯を持ち上げた。



それを見た二宮が声を張り上げる。



和「あっ!?ちょ、待って!!ダメだって!!」