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マリア

第18章 虚偽曲 ①



聞き間違いか?



さっき、「ヤっちゃおうか?」って……?



それはそれで願ってもないことだけど、



今でこそ、こうして智を腕に抱いて、



キスをして、



その存在を確かめるみたいにその体を強く抱きしめている。



でも……



「ごめん。もう一回確認していい?さっき何て…」



智……お前は俺のものじゃないだろ?



松本に嫉妬させるために俺と付き合うフリをするだけじゃないのか?



智「だから、少しでもリアルな感じを出すためにも一回、ヤってみた方がいいかな?って。」



俺は言葉を失った。



そんな話を二宮としていた時は、顔を赤くして俯いているだけだったのに。



……変われば変わるもんだ。



智「翔くんも、いきなりキスしてきたのも、僕とセックスがしたかったからでしょ?」



「……。」



……そうだよ。



あわよくば、お前をヤッちまおう、って、気持ちもなくもなかったよ。



でも、まさか、そのお前からお誘いを受けるなんて、これっぽっちも考えてなかったけど……。



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