マリア
第18章 虚偽曲 ①
智「あ…しょ……」
体のあちこちに印をつけてゆく。
智の肌を少しずつ露にしながら、
智は俺のものだという印をつけてゆく。
智「擽った……あっ…ん…」
身じろぎする智の体を押さえながら所有の証を刻んでゆく。
俺ほどではないにしろ、
病気がちな礼音と違って、程よく太陽の光を浴びた健康的な肌色の智。
その、本来の肌の色を隠すように赤い花で埋め尽くしてゆく。
頭の先から爪の先まで。
髪の毛一本から足の爪の一つ一つに至るまで。
智を連れ去ろうと群がる亡霊たちの目を欺くために。