マリア
第19章 虚偽曲②
二宮くんがなぜ、あんな映像を保存していたかは分からないけど、
あとから、僕と先生の絡み合う姿も出てきた。
こうして画像を保存しているところをみたら、彼の性癖なのかもしれない、と、思わざるを得ない。
もしかしたら、相葉くんに翔くんと自分との関係を漏らしたのだって、
相葉くんの性格を知った上でのことだったのかもしれない。
先生から僕を遠ざけるために、相葉くんを逆上させ僕を犯させたのか、それとも、単に、その画が欲しかったのか。
何せ、すべて吐き出したあと、僕の中で、新しい感情が生まれてくるような気がしていた。
「もしもし、相葉くん?大野だけど…?」
雅「あ…あの……話、って?」
「いいから座って?」
以前、二人でクレープを食べた公園に彼を呼び出す。
隣に座る相葉くんの顔は真っ青で、
僕の顔をまともに見ようとしない。
途中、立ち寄ったコンビニで買った中華まんを手渡す。
「はい。熱いうちに食べよ?」
チラ、と僕を見てから、
相葉くんは小さな声でありがと、と中華まんを受け取った。