マリア
第24章 鎮魂曲
智「んも〜翔くんてば!ハーブティーは香りを楽しみながら飲むお茶なんだから!!」
がぶ飲みしちゃダメだよ?と苦笑される。
「ごめん…」
智「いいけど…?」
「「………。」」
智「……僕が…見つけたんだ。」
暫しの沈黙のあと、徐に智が口を開く。
智「僕が倒れてる礼音を見つけた。」
智が言うには、
眠っている礼音をそのままに、少しの間家を空けたのだと言う。
智「その時に何かの拍子に発作が起こって、それで…」
「薬は?いつもの場所にあったはずじゃ…」
智「それが、たまたまいつもの場所に無かったんだ。」
「そんな…!」
智「母さんが礼音の部屋を掃除した時に、うっかり違う場所に置いたみたいなんだ。」
そんな…そんな偶然……て、あんのか?
智「見つけた時には、もう…」
俺はふと、智がどんな顔で語っているのかが気になって、
不謹慎だとは思ったけど、
智の方をちら、と見やった。
智「僕が…外なんかに出なければ…ちゃんと礼音のこと見てやってたら…」
俯いた肩が小刻みに震える。
智「僕のせいだ。礼音が死んだのは…僕が…っ」
俺は、
嗚咽が聞こえ始めたその体を、思わず引き寄せ抱きしめた。