マリア
第24章 鎮魂曲
智「驚いた…でしょ?」
智に少し話したいと言うと、
場所を変えよう、ということで、智は俺を久々に部屋に招き入れた。
智「何か飲む?」
「ん?いや、いいよ?」
智「話、って?」
「あ、ああ、ま、座って?」
俺んちじゃないけど、と、智を座らせた。
智「で?」
「うん…何て言うか…まあ…」
智「……」
やべぇ…いざとなったら、何て言葉をかけてやったらいいのかわかんねぇや。
智「翔くん?どうしたの?どっか、痛いの?」
「いや…じゃなくて…その…」
智「取り合えずお茶、持ってくるね?」
智は部屋を出ていってしまった。
はー、もう、何やってんだ!?俺?
ただの挙動不審なヤツじゃん?
礼音がいなくなって、落ち込んでる智を慰めようと思ってたのが、
想定外に落ち込んでなくてちょっと調子が狂ってしまった、てのもあるけど…。
智「お待たせ。」
ふわり、と香るラベンダー。
智「落ち着くよ?」
まずは気持ちを落ち着かせてから、と、
癒してくれるはずのハーブティーをがぶ飲みするも、
噎せて智に背中をさすってもらう、という醜態を晒してしまった。