マリア
第25章 後奏曲
花の中に埋もれて眠っている礼音の頬に触れる。
柔らかくて、
冷たくて、
でも、柔らかくて…
付き合い始めたキッカケは俺から礼音への告白。
日頃の、礼音への接し方から智に追及され、あっさりバレた。
俺たち三人は、生まれた時のからいつも一緒にいたけど、
大きくなるにつれ、三人の中の一人が女の子、だということに気づき、
イヤでも意識するようになっていった。
で……
「あっ……のさ、は、話あんだけど?」
礼「何?」
「その……礼音は好きな子とか、いたりする?」
礼「何で?」
「何で…って?」
小さく呻きながら頭を掻きむしる。
礼「どうしたの?変な翔くん?」
「えっ…と、つまり、その…」
礼「………?」
ああっ、もう!!とか言いながら、
夢中で礼音の手を握った。
「つっ…付き合って下さい!!」
礼「え……?」
「だっ…だから、付き合っ…」
礼「…いいよ?」
「へっ?」
礼「私でよければ?」
「…マジ?」
礼「うん。」
逆に、握った手を握り返される。
礼「…でも、いいの?私なんかで?」
「い、いいも悪いも、俺が好きなのは礼音だから!!」
礼「ふふっ。ありがとう。嬉しい。」