マリア
第26章 終曲
「いえね?それ自体、ダメだ、って言ってる訳じゃないの。あなたもちゃんと気を付けてるみたいだし。」
「あ…当たり前だろ?もしものことがあったら俺、責任取れないし…」
「そっ…そうよね?わ、私はいいんだけど、お父さんに分かったら何て言われるか…」
お袋、アンタも相当動揺してるけど?
「頭ごなしに別れろ、だろね?」
相手が智だ、って分かったら尚更だろうな?
もし、親父にバレたとしても智とは別れる気なんてこれっぽっちもないから。
「ねぇ、その子とは、しばらく距離を置く、ってことは出来るの?」
「えっ?」
「あなたが「彼女」のこと大事にしてることは分かるわ?でもね…」
「…ほっといてくれない?」
「翔?」
「俺たちの問題に首突っ込まないで欲しいんだけど?」
勉強の邪魔だから、と、
お袋を部屋から追い出す。
「ちょっと!?お母さんはあなたのことが心配で…」
「だったら!!余計に首突っ込まないで!!これは、俺と「彼女」の問題だから!!」
そうだよ!今、俺、智と距離を置いたら俺たちは…
俺たちはそれこそ、もう…。