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マリア

第26章 終曲



続けざまに耳元を駆け抜けてゆく車の音が聞こえる。



その少しあと、智のため息らしき声が聞こえてきて、



てっきりダメ出しされるのか、と思っていたら、



意外にも、普通にいいよ、と返された。



智『僕もお祝いしてもらったし。あ!!でも、まだ、試験前じゃん?』


「息抜きだ、って?」


智『息抜きしすぎじゃない?』


「じゃあ、息が詰まって俺がどうにかなったら責任とってくれんの?」


智『そ、それは…』


「智が俺に何かサービスしてくれるんだったらチャラにしてやってもいいよ。」


智『それ…って、もしかして…エッチな意味で言ってる?』


「ん?そう聞こえた?」


智『…違う…の?』


「智がそれでいいんなら、俺は構わないけど?」


智『あっ…!もう、翔くんてば、また!?』


「楽しみだなあ…」



いつもなら、俺の隣にいる智がバカだの、スケベだの、って、バシバシ俺のこと叩いてくるんだけどな?



智『知らない!!翔くんのバカ!』


「それより、どこにする?待ち合わせ場所?」


智『え?ああ、うーん…』



が、急に大声を張り上げる。



智『あそこがいい!!』


「あそこ?」


智『うん。あそこ。』







でも、智…



ごめんな?








言い出しっぺのクセに俺…








約束の時間に行けなくて…。



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