マリア
第27章 悲愴曲
智の誕生日から俺たちは、直接会うことを避け、
時々、互いの近況なんかをメールしあっていた。
クリスマスも、
さすがにメールだけじゃ味気ないので、
前もって、いつ頃電話するから、と、直接話をしたいがために智にメールしたりもした。
智『どう?勉強、捗ってる?』
「全然?」
智『そんなことで本番は大丈夫なの?』
「ダメかも…?」
智『どうして?』
「智が会ってくれないし…」
智『まーたそんなこと言って?模試の結果、悪かったんでしょ?今、頑張んないと間に合わないじゃん?』
ホントは、あわよくば、クリスマスにも会いたかったんだけど
今回の模試の結果が悪かったことをうっかり智に喋ってしまい、
やっぱり俺の誕生日まで会わない、ってなってしまった。
「智の顔見たら頑張れるんだけどな?」
智『翔くん…』
「智…」
智『…それ、って、ただ単に僕とヤりたいだけなんじゃないの?』
うっ…。そう…とも言えるかな?
実際、問題解いてて煮詰まってくると、
智のエロい顔とか声とかが頭ん中を過るし…。