マリア
第27章 悲愴曲
智『ダメだからね?』
ですよねぇ……
しょーがないから、あの時の智を思い出しては、たまにヌいたりしてたんだけど…。
智『翔くん?』
「は、はい?」
智『さっき、エッチなこと考えてたでしょ?』
「…すいません。」
何でバレた?
智『翔くんの考えてることは手に取るように分かるの。』
…そうですか。
ベッドでごろりと寝っ転がってしばらく喋っていたら、
誰かが俺の部屋をノックした。
「ちょっと待って?」
…誰だよ?
スマホをシーツの中に隠し、部屋のドアを開けた。
「話し声が聞こえたから…」
お袋だった。
「今、友達と喋ってたんだよ。」
「お友達、って?」
「誰だっていいだろが!?」
「もしかして…大野くん?」
「え?」
ドアを閉めようとした手が止まる。
「あの子とはあまり関わらないほうがいいんじゃないかしら?」
「…なんだよ?それ?」
「アンタ、例の噂、聞いてるでしょ?礼音ちゃんが亡くなった時のこと?」
「何それ?まるで智くんがなんかしたみたいな…」
「私、言ったでしょ?あの子の…礼音ちゃんのご遺体、少し変だ、って?私、葬儀屋で働いていたことがあったから分かるのよ。だから…。」