マリア
第7章 恋慕曲
翔side
智「二宮くん、この間の…ほら、あの背の高い男の子…え、と、相葉くん…だっけ?ほら、翔くんのお友だちでいたじゃない?」
和「ああ…サルのこと?」
智「サル?」
和「あの人、年中サカってるから。」
智「サカってる…って?」
「さ…智くん、あのさ…」
聞き慣れない言葉に聞き耳を立てる智を制しようと、身を乗り出すも、
二宮くんは淡々と続けた。
和「エッチしたくなる、ってこと。」
智「エ…エッチ…。」
智は掬ったアイスクリームを口に含んだまま固まってしまった。
そんな智を横目に、二宮くんは平然とパフェにかぶり付いていた。
智「あのさ…翔くんの分も奢ってくれる、って……もしかしてその相葉くん、って子がお小遣いとかもくれる……の?」
二宮くんはパフェに乗っかったアイスクリームを掬い、口の中でしばし味わい、ごくり、と飲み込んだあと、
スプーンをパフェの器に差し込み、無言で首を左右に振った。
和「さっき、あの人からもらったの。」
智「あの人?」
和「親切な精神科のセンセから。」
智「まさか…松本先生?」