マリア
第7章 恋慕曲
高校生が精神科医からお小遣い?
何か、弱味でも握ってんのか、
それとも…
雅紀とカラダの関係があるぐらいだ。
援交紛いのこととかしてんじゃねぇのか、って、興味本意で聞き耳を立てていると、
彼は、その耳を疑いたくなるようなことを口にした。
和「あの人、俺の兄貴なの。」
智「え…?」
俺は、その親切な精神科とやらと面識がなかったせいか、さほど驚かなかったが、
智は固まるぐらい、驚いていた。
智「でも…あんまり似てない…」
言いかけて口を噤ぐ智を見て、二宮くんは声もあげずに笑った。
和「だろうね?腹違いだもん。」
二宮くんはパフェをたいらげ、水をごくごく流し込む。
和「言い方変えると、父親が外で作った子供。」
息継ぎをするように言葉を繋ぎ、水を飲み干してから、こうも付け足した。
和「だから、せいぜい似てても半分だよ。」
顔と頭の中身は全然だけどね?と、苦笑した。
和「大野さんと妹ちゃんが二卵性なのと似たようなもんでしょ?DNAが半分だけ同じ、ってとこが。」