同窓会 SN
第12章 ボジョレーヌーヴォー3 和也
こんなこと・・・言うつもりじゃなかったのに。
でも、本当は 心のどこかでずっと考えていたのかな・・・
俺はいつも 翔の気持ちが俺から離れてしまう日を 恐れているのかも知れない。
愛すれば愛するほど、その不安は心の片隅で ひっそりと、でも確実に大きくなっていくような気がするんだ。
言葉にすることで それをはっきりと自分自身にも意識させて、
いつか来るかもしれない衝撃に 少しでも備えようとしている、ってこと なのかな。
そして そんなふうに考え始めると、
今度はその日が本当に近くまでやってきているような気がして・・・
俺は翔に
「俺は自分の気持ちがお前から離れるなんて事、全く考えられない。そんなことは在り得ない」
とはっきり言えなかった。