同窓会 SN
第12章 ボジョレーヌーヴォー3 和也
でも、翔は俺の両手をそっと取って 優しく握ってくれた。
「和也 ・・・俺を見て?」
「・・・・・・」
視線を合わせられない俺。
「おい、・・・こっち見ろって」
顎をぐいっと引き寄せて、下から俺の目を覗き込んでくる。
「俺、お前を不安にさせてるか?」
ふるふると首を振る俺。
「俺がお前のこと好きだって、分かってくれてるんだな?」
少し迷いながらも頷き
「じゃあ、もっと俺のこと信じてくれよ。俺が好きなのはお前だけだ」
再び頷く・・・というか、そんなニュアンスで下を向く。
「あおいさんのこと、もし心配になるようなことしたのなら謝るから・・・」
今度は首を振りながら ぐす、っと鼻をすすってしまった。
泣きそうな事 知られたくなくて声を出さずにいたのに
バレた・・・よな・・・。