同窓会 SN
第23章 新しい季節3 和也
シーンと静まり返ったフロアー。
さっきと何も変わって無いはずなのに、翔が帰った後の会社は何だか静か過ぎて居心地が悪い。
普段なら全く気にならないPCのモーター音や、キーボードを打つ音までも
響きすぎて集中できない。
おかしいな、さっきまでだって別に翔が社内にいるかどうかなんて気にしてなかったのに
いないと分かった途端 空間が広く感じて 自分がぽつんと一人だって感じるんだ。
今日はもう乗らないな
俺も帰ろう
「さ、帰るか」
なんて明るく口に出してみたけど、実の所 俺は密かにショックを受けていた。
上手く行くことばかりじゃなかったにしても、一人で生きてきた今までは
何でも一人でやってきたし、それなりに出来てた筈なのに
今の俺は まるっきり翔に頼って 甘えて生きてるみたいじゃん
こんな俺じゃダメだ
新年度という ちょうどいい時期だし、俺も「人生の目標」みたいなものを 掲げて生きていくべきなのかも