
同窓会 SN
第25章 新しい季節5 和也
そこで廊下を歩いてくる足音に気づいた。
誰か来た!
翔かな?
いや、誰でも良い。
こんなとこ見られるのは恥ずかしいしかっこ悪いけど 背に腹はかえられない。
けど、助けを呼ぼうと口を開きかけた途端、本郷君の手が俺の口を覆った。
入り口の所で立ち止まる足音。
中に入るかどうか、逡巡してる気配
何とかしなくちゃ、と思った俺は 必死に身体をずらして、さっき倒れた椅子を思い切り蹴った。
がん、という鈍い音
低い音しか出なかったけど この音は必ず廊下まで聞こえてるはずだ。
