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同窓会 SN

第38章 秘密4 和也



話が違う、と怒り出すかと思ったが、意外にも堤さんはため息をついて座り込んでしまった。


「やっぱりダメか・・・」
「え?」

「前に櫻井さんに断られた時も、お二人の間には固い信頼関係があると感じましたよ。
その時ははっきりとはわからなかったんですけど。やっぱりお二人はそういう関係だったんですね」
「あの・・・さっきも言ってたけど・・・前に、って・・・?」

「それは櫻井さんに聞いてください。さ、目の毒だ。服を直して
・・・もう、部屋へ帰りなさい」
「え・・・あの、でも、商談は・・・」

「それは口実です。何でもいいから納得してもらう材料が欲しかっただけですから。
あ、勿論、ルームナンバーを聞いたとか、櫻井さんも承諾済みだとか言ったのも全部嘘ですからね。このホテルに入ったのはお二人の後をつけて知ったんだし、従業員には顔が聞くから上手い事言えばルームナンバーくらい簡単に聞き出せるんです
そうそう、嫌な想いをさせたお詫びに、今度本当に仕事の話もさせてもらいますよ」


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