同窓会 SN
第4章 10年ぶりのアイツ3 翔
このマンションだって、「ワンルームあれば十分」という和也を「俺も泊まることもあるし、泊まるとなれば色々設備も欲しいから」と説得して2LDKにさせたんだ。
服も靴も全く興味なさそうで、目を輝かせて選んだのはPCと音響機器ぐらい。
不思議なくらい物欲のない、つかみどころの無い奴
そんな印象は昔のままだった。
「お前、メシ食った?」
「うん、翔は?」
「俺もクライアントと食べてきたよ、何飲んでるの?水割り?」
「うん、薄い奴・・・飲む?」
「自分でやるからいいよ、お前もう1回続きやれば?」
「う~ん、もういいや。ちょっと目が疲れたかも・・・」
そんな会話をしながら 俺は自分用に濃い目の水割りを作り、ソファーに座った俺の脚に頭を乗せてあいつがごろんと寝転ぶ。