同窓会 SN
第4章 10年ぶりのアイツ3 翔
「なあ、明日早く終われそう?」
和也の髪を 指にくるくる巻きながら俺は尋ねるけど
「ん~、明日は・・・別に急ぎの仕事じゃないから大丈夫かな、何かあるの?」
「じゃあさ、18時頃に上がって買い物行かないか?もう新作のコート出てるんだぜ」
「は?いいよ、そんなの・・・。駅から近いから 外歩くのなんてほんの少しだし。
大体、本格的にコートが必要になる頃にはバーゲンで安く買えるんだぜ?勿体無いじゃん」
・・・俺達の会話は 大体いつもこんな感じ。
俺が何か誘っても 大抵「勿体無い」か「必要無い」
または「興味無い」でばっさり切られる。
無い無いづくしだ。
知らず知らずのうちに ため息をついていたらしい。
ふと気付くと 和也が不思議そうにこっちを見てる。