同窓会 SN
第55章 痕跡1 和也
桑名さんは翔のことを好きだったんだろうか?
翔は桑名さんのことを好きだったんだろうか?
・・・だとしたら、
翔はホントはもっと泣きたいのかも知れない。
俺と一緒にいることで、無意識にでも強がらせてしまっているのかも知れない。
もっと気持ちを楽にさせてやりたい。
桑名さんが昔、翔が力を抜ける唯一の場所であったように、俺もそんな存在になれたら・・・。
もしも 今は俺がそばにいない方が
翔が楽になれるなら・・・、
こんなふうに考える俺は間違っているのかな
翔を一番愛して 理解してやれてるのが
俺でありたい。
翔に一番愛されてるのが俺でありたい。
それを本当のことだと実感したくて
いつもよりもっと激しく翔を求めた。
何度も何度も 貪欲に
いつもなら 恥ずかしくて出来ない事や
言えないこともした。
翔の心に 俺を深く深く刻みつけたかった。