同窓会 SN
第5章 10年ぶりのアイツ4 和也
見知らぬ番号、
こういう時は名乗らないで出る。
「はい」
ところが、その電話は全く予期していない内容のものだった。
翔が階段から足を踏み外して 右腕を骨折したと言うんだ。
一体全体、何だって、そんなことに?
病院の名前と場所を聞き、俺はタクシーを拾い 急いで翔の下へと向かう。
落ち着け・・・
翔は大丈夫だ・・・
俺は自分自身に言い聞かせる。
頭を打ったけど、意識はしっかりしてるって話だし。
折ったのが利き手なのは不自由だろうけど、治るまで俺が何でもしてやるよ、
だから無事でいて・・・
神様、お願い・・・
柄にも無く、俺は本気でそんなことを祈ってしまった。
タクシーの運転手は 頭を垂れてぶつぶつ言う俺のことを さぞ不審に思ったことだろうな