
同窓会 SN
第72章 桜2 翔
向井さんに会釈して 和也の背に手をやり歩き出すと
上目づかいで俺を見つめ、小さな声で訊いてきた。
「あの・・・もしかして向井さんと約束してた?」
「え?・・・んなワケないだろ。向井さんにもツレがいたみたいだし」
「そう・・・?」
「そうだよ、缶コーヒー2本持ってたじゃん、彼氏か彼女か知らないけど、誰かの分も買ったんだろ」
「え・・・気が付かなかった」
「ま、どっちでもいいけどな、俺たちには関係ないことだし」
「・・・・・・」
「何だよ、どうした?」
「・・・何でもない、やっぱあの人カッコいいな、って思っただけ・・・」
「あの人がカッコいいのは否定しないけど、俺の気持ちはお前にしか向いてないから。ソコは心配するなよ?」
「気持ち か・・・」
「?」
