同窓会 SN
第6章 10年ぶりのアイツ5 翔
5-2
しかし 奴は慌てて追いすがってきた。
しつけーよ!と、突き飛ばしてやりたかったが こういう奴は後で何を言い出すかわからない。
暴行罪などで訴えられては この一件が和也の耳にも入ってしまう
ぐっと我慢した俺は その手を振りほどき、走って階段を降り始めた
・・・が、まだ少し酔いが残っていたのと、怒りに駆られたのとで 足がもつれて階段を踏み外してしまい
頭を打ち、目から火花が散ったのと同時に「ボキッ!」といういやな音を聞いた。
「ううぅ・・・イッテェェェ・・・」
頭を打ったせいか、眩暈がする中 激痛のする腕を抱え込み 呻くことしか出来ない俺
あ~、やっちまった、
ついてない・・・
でも これで和也を守れたのならいいや・・・。
仕事も利き腕も 和也のためなら犠牲に出来る。
いや、そもそも「犠牲」だなんて思わない。
はァ・・・俺って こんなに健気な男だったんだなぁ・・・。