テキストサイズ

笑顔のPhotography

第2章 Encounter

 ”小説家になる”

 私は夢を持って、大阪の専門学校に入った。けれど、そんなこととても大声で言えるような実力じゃないと知った。三年生。学生、最後の年。

 珍しくできた自信作を持って、批評会の授業に向かった。

「この作品は、高校生の女の子と年上の彼遠距離恋愛を描いた小説で……」

 一人一人、意見を言っていく。

「彼女が彼を好きになった理由は? 唐突すぎる」

「小説ってありのままを書けばいいわけじゃない」

「で、君はこの作品を通して何がいいたいの? 伝わらない」

「そろそろリアルやめたら?」

 向けられるのは数々の辛辣な言葉。耐えて我慢した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ