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好き心少なからず

第9章 想いを込めて~入江希美の場合~

ああ、もう!どうしてこんな返事しちゃうのよ!!

自分の態度に苛立ってしまうと

「そう言うなって。手伝った方が早いし」

宇野くんは私の持っていた小麦粉の袋に手をかけた。

「その代わり、俺のも手伝って、な」

な、って言いながら笑う。

その顔に、胸がきゅんとしてしまう。

「う…うん」

こういう風に、さりげなく優しくしてくれるの、めっちゃポイント高くない?

小麦粉から手を離して宇野くんを見ると、眉を上げて見返された。

咄嗟に顔を伏せる。

「じゃあ目盛り見てて。入れてくから」

「うん、分かった」

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