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好き心少なからず

第9章 想いを込めて~入江希美の場合~

宇野くんが小麦粉の袋を動かすと、少しづつ針が動いていく。

ちょっと意外。

一気に入れすぎて戻すかと思ってたのに…結構繊細なんだな。

「あ、オッケー」

「ん。じゃあ俺らの分な」

ボウルを入れ替えて、また目盛りが動いていくのを見ていく。

せっかく宇野くんが傍にいるんだし、何か喋りたい!!

えーっと…話題、話題…

「宇野くん、割烹着似合うね」

「は!?」

突然、突拍子もないことを言ったから?

宇野くんの手元が揺れて、小麦粉が勢いよく流れた!!

「きゃっ!!」

「ごめん!」

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