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好き心少なからず

第9章 想いを込めて~入江希美の場合~

宇野くんを見れば、今度は田辺くんの手伝いをしている。

このまま小麦粉係にでもなるつもりなの?

クスリと笑いを浮かべる。

男子でも女子でも関係なく、優しい。

そこが宇野くんの良いところなんだよね…

自分の分とは別に、もうひとつバターを切り分けた。

「材料取り分けたらさっさと調理台に戻りなさいよ~」

邪魔だとばかりに、先生が声をかける。

「宇野、サンキュな」

田辺くんが礼をいって自分のグループに戻って行くと、宇野くんが慌て始める。

「え!?ちょっと待てよ?俺の手伝いは?」

だけど皆はクスクス笑いながら、自分の分を取り分けている。

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