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好き心少なからず

第10章 想いを込めて~宇野一朝の場合~

ちいと話してると、入江の姿が見えた。

赤と白のボーダーのエプロン。

明るい色合いが、入江にすっげぇ似合ってる。

あんな格好で、家でもお菓子とか作ってんのかな?

『宇野くんのために作ったんだよ?』

そんな事を言われて、笑顔でクッキーでも渡されたら…

うわ。堪んねぇな。

「宇野くん?」

名前を呼ばれて、はっと我に返ると、ちいが怪訝な表情で俺を見ていた。

「どしたの!?」

「別に!?何でも!?」

慌てて首を振って、自分のグループの調理台に戻ると、英嗣が道具の準備をしていた。

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