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好き心少なからず

第10章 想いを込めて~宇野一朝の場合~

ベーキングパウダーと、砂糖と…あと何がいるんだっけ!?

焦ると手元が震えて、ベーキングパウダーを溢してしまいそうになる。

悪態をついていると、トレイの上にバターと卵が置かれた。

え?

そっちの方向を見れば…

「あと砂糖だけだよ」

入江が小さな声でそれだけ言うと、慌ててトレイを抱える。

「あ…ありがとう」

卵だけならまだしも、バターは切り分けて重さを量らなきゃならない。

俺のために準備してくれていたんだ…。

嬉しくてお礼を言ったのに、

「別に!?ついでだから!」

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