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好き心少なからず

第11章 想いを込めて~新田英嗣の場合~

温度をセットして、余熱のボタンを押す。

さて、と。

立ち上がって、まず目に入ってきたのが

「山田?何してんだ!?」

「え?バター溶かそうと」

バターを皿に乗せようとしてる姿。

「溶かす事ないだろ?やわらかくなってるじゃん」

「溶かせって書いてなかったか?」

「固い場合は、って書いてあるだろ!?」

教科書の一文を指差すと、納得したようだ。

「宇野も持ってきた感じで分かるだろ!?」

すると、宇野は力の抜けたような笑いを浮かべて

「ごめんな~。バターは取り分けてくれた人がいてさ~」

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