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好き心少なからず

第11章 想いを込めて~新田英嗣の場合~

イライラを抑えて、何とかいつも通りの表情を作る。

「そうかも知れないけど、今は実習だから。手順通りにやってくれよ」

「へーい」

眉を上げた稲村に、小宮が

「ほらな。そう言われると思った」

「うるせっ!!」

軽口を叩きながら笑い合う二人を見て、顔をしかめた。

分かってるんなら、何で止めないんだよ!!

息を吐いて梶の手伝いに回る。

ちょうど砂糖を入れようとしている所だった。

「手伝うよ」

「あ、サンキュ」

梶は僕の顔を見ると、片方の口角を上げた。

「珍しくイラついてる?」

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