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好き心少なからず

第12章 思いを込めて~二階堂絢音の場合~

「文句言わないで早く食べなさい」

大護は顔をしかめて、右手の手のひらごと食べるような勢いで、カップケーキを一口で頬張った。

「うん。うまい」

率直な感想に、心の中で大きく頷いた。

そうでしょうね。

大護が食べた方は、新田くんの作ったものだもの。

「当然。だって、A判定のカップケーキよ?」

「両方ともか?」

頷くと、大護は手に残ったカップケーキをまじまじと感心したように見て、また一口で頬張った。

「あー、確かに。どっちも旨い」

そんな事は言われなくても分かってる。

問題は、どっちが美味しいか、よ。

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