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好き心少なからず

第12章 思いを込めて~二階堂絢音の場合~

大護は眉を寄せて凄んでみせる。

背も高いし、色黒で、筋肉質で、年上。

それでこんな表情をされたら、普通ならビビっちゃうだろうけど…。

おあいにく様。

私にとってはいつまでも『だいちゃん』なのよ?

にっこり微笑んでやり過ごすと

「ごめんね?だけど、図書館行くのに時間がなくなるのは本当だし、美味しいケーキも食べられたんだからいいじゃない?」

「あ、やべっ!!」

私の言葉に、慌てて腕時計を見て

「お前、そのうち覚えておけよ!!」

捨て台詞のように言い残すと、慌てて図書室に向かって走っていった。

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