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好き心少なからず

第12章 思いを込めて~二階堂絢音の場合~

大護の走り去った方向を見て、クスリと笑みをこぼす。

「そのうちっていつなのかしらね?」

そう言って新田くんに笑いかけるけど、新田くんは眉を寄せて考え込んでいて…

「新田くん!?」

強めの口調で名前を呼べば

「うわっ!?あ…」

慌てて私の方を向いた。

「ちゃんと聞いてた?」

「えっ!?なっ…何が!?」

もう!

ラップで包んだ片割れを新田くんの目の前に掲げた。

「はい、これ」

ポカンとして眺めているから、もう1度手を振って受け取らせた。

「僕に…?」

「そういう約束でしょ?」


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