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好き心少なからず

第12章 思いを込めて~二階堂絢音の場合~

新田くんは手のひらのカップケーキを、戸惑ったように見ている。

どうしたのかしら?

…あ!もしかして…

「新田くんが作ったのより口解けが悪いみたいだけど」

大護の批評を気にしているのかと、冗談めかして言うと、焦ったようにしどろもどろになった。

「え、いや、そんな…」

やっぱりそうよね。

大護の指摘は間違ってなかったもの。

「よかったら食べて。気になるなら棄てていいから…ね?」

にっこり笑って首を傾げると、

「いや、食べるよ!!」

新田くんが怒ったように語気を荒げた。

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