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好き心少なからず

第2章 大丈夫?~姉ヶ崎×田口~

つい聞いてしまうと、彼は不思議そうに私を見た。

「同じ学校だからね。僕も次でバス降りるし」

あ、そうか。

学生服だから分からなかったけど、襟のクラスバッチがうちの学校のものだ。

二年F組。

…って事は、商業の人だ。

うちの学校は、A組からD組までが普通科で、E組からG組までが商業科に分かれている。

同じ学年でも、授業内容も違えば交流もなくて…

つまり、彼の顔を知らなくても当然。

「席も譲れたしね」

にこっと笑って親指で後ろを指差した。

見れば、彼の荷物が置いてあった席にはおばあさんが座っている。

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