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好き心少なからず

第15章 お弁当~八神×岸田~

「失礼します」

準備室に入ると、先生がビニール袋をガサガサと音を立てて片付けていた。

「何してるんですか?」

先生は、ははっと小さく笑うと

「輝穂は食べるの早い?」

「普通ですよ」

「そっかあ?早い方だろ?」

何の話なんだか。

意味がわからなくて顔をしかめると

「いや、お昼食べてきたんだろ?早くないか?」

ああ、そういう事。

「まだです」

「え」

「ここで食べようと思って」

手提げバッグを持ち上げて見せると、ああ、と納得したみたいな声を出した。

「いいですよね?」

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