テキストサイズ

好き心少なからず

第15章 お弁当~八神×岸田~

「んっ……あれ?」

私を抱き止めたまま身動きした先生が、ちょっと間の抜けた声をあげた。

そして、何度か身動きして…

その度に、先生の髪の毛が頬に触れる。

こんなに近くで、こんな長い時間いたことがないから、どこを向いていいかさえ分からなくなる。

「輝穂、動ける?」

「え!?」

急に声をかけられて、慌てて先生を見ると

「輝穂が動けばどうにかなるかも」

どうにかって…

見れば、先生の足が倒れた本で埋まってしまっていた。

それで…身動きが出来ないって?

「ちょっと待って」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ