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好き心少なからず

第20章 こんな場所~新田×二階堂~

絢音は広げた指をひらひら動かして、別れの言葉を告げる。

そのまま本当にお別れになってしまいそうで…

「あのさ、ちょっとこっち…いい?」

僕が左側の道を指差すと、絢音は目を丸くした。

「いいけど…何?」

「ここじゃちょっと…」

「話しにくい事?」

「うん、まぁ…そう」

煮え切らない僕の返事に、ふぅんと呟くと、僕の目を覗き込んで探りを入れてくる。

「どこに行くの?」

「来れば分かるから」

これ以上話してるとボロが出そうだ。

左側の道を歩き出した僕を追いかけて、絢音も歩き出した。

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