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好き心少なからず

第20章 こんな場所~新田×二階堂~

「帰ろうか」

「そうね」

絢音と並んで、来た道を戻ろうと歩きかけると、絢音が自分の手をじっと見ていた。

「どうした?」

僕の問いに、眉を上げると、見ていた手を伸ばして

「手。繋ぐ?」

小首を傾げて聞かれた。

そういえば猫の物音に驚いて、咄嗟に手を離してしまったんだ。

だけど、今さらだけど…改めてってのは照れくさい。

しかも、催促されて…なんて…

「あ…うん」

曖昧な返事をして、ポケットに手を突っ込んだ。

そのまま社務所の前を通りかかると、絢音が足を止めた。

「ねぇ、見て」

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