テキストサイズ

好き心少なからず

第20章 こんな場所~新田×二階堂~

「立て札、読んでないの?」

さっき、絢音が読んでいたアレか。

「知らない」

そんなもん、小さい頃からずっとあったようなものの説明文なんか読まないだろ?

昔から、ただ音が綺麗で気に入ってただけで。

恋愛関係を願って鳴らすなんて知らなかった。

そこでハッと気付く。

「…だから今まで願いが叶わなかったのか!?」

それを聞いた絢音が笑いをこぼした。

「新田くんも案外そそっかしいのね」

「悪いか?」

くすくす笑われて、ふて腐れたように答えると、絢音は首を振った。

「ううん。嬉しい」

嬉しい?何で?


ストーリーメニュー

TOPTOPへ