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好き心少なからず

第4章 モヤモヤする~田口×宇野×姉ヶ崎~

香澄との思い出に浸って、少しばかり苦い思いを味わっていると、カズが急に話を振ってきた。

「そういや、ちいを助けたんだって?」

ちい?

何の事か分からず、キョトンとすると

「おう、何かめちゃめちゃヤスのこと褒めてたぞ?」

「え…誰?」

ピンと来ない僕に、カズが急かすように

「ちいだよ。姉ヶ崎千鶴」

名前を言われて、ようやく誰の事か分かった。

この間、バスに乗ったときに出会った子の話か。

それにしても…

「カズは、姉ヶ崎さんを『ちい』って呼んでるのか?」

かなり仲いいんだな。

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