テキストサイズ

好き心少なからず

第4章 モヤモヤする~田口×宇野×姉ヶ崎~

「あ、皆そう呼んでるぜ?姉ヶ崎なんて堅っ苦しいし、小うるさいし、ちっちゃいし」

カズは自分の胸ぐらいの高さで手をかざし、姉ヶ崎さんの背の高さを表した。

確かに小柄だよな。

バスの中で転びかけた姉ヶ崎さんを助けようとした時、腕を引っ張って…

思いの外彼女の体が軽くて、腰に手を回さないと引っ張りすぎた反動が抑えられなかった。

僕が話すたびに、目をくるくると動かしていたっけ。

そうか。褒めてたってことは、嫌じゃなかったんだ。

親切の押し売りにならなかったことに、少しほっとして、笑みをこぼした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ