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好き心少なからず

第23章 匂い~新田×二階堂~

焦る僕に絢音はくすりと笑いをこぼした。

「そうじゃなくて…匂いが」

「匂い?」

鼻で匂いを探ってみるけど、そんな悪臭は感じられなかった。

「梅雨時って」

あ、もしかして僕の匂いか!?

服が生乾きな匂いでもしてるんだろうか?

袖口を鼻に当てて嗅いでみるけど、特に気にならないんだけどな…。

絢音を窺うように見れば、僕を見ていなくて。

視線は…道向こうの、畑…?

「栗の花の匂いが…キツくない?」

栗の花!?

言われて、栗の木をよく見れば、すすきの穂先のようなものがたくさんついてる。

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